米国とイスラエルがイランを攻撃してから早一カ月経ちました。イランの海軍と空軍は壊滅状態ですが、陸軍や革命防衛隊は残存しており弾道ミサイル、中距離ミサイル、自爆型ドローンで湾岸地域にある米国の基地やイスラエルの主要都市だけでなく、石油・LNG積出し基地や空港などの民間目標を狙った非対称戦で反撃し続けています。それを中露が支援(注1)しているので、戦争状態は更に長期化する見通しで、ホルムズ海峡の事実上の封鎖も続いています。世界経済は混迷の度を深め、「米国とイスラエルの軍事的野心追求の代償を全世界が支払わされている」(トルコ:エルドアン大統領の発言)。 (注1):英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は26日、ロシアがイランに、食料や医薬品とともに無人機を輸送していると伝えました。米軍の位置情報などの提供も行っているとのこと。

先日、高市首相がトランプ氏と首脳会談を行い、そこで高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思います」と言いました。当にその通りです。イラン戦争を終結させる決心ができるのは、この地球上でトランプ氏だけです。
この戦争に対する私の評価は、『イランの「核開発阻止」だけでなく、「体制崩壊(体制転換)」、イランという「国家の殲滅」まで突き進もうとしているイスラエルのネタニエフに、トランプ氏が引きずられて長期戦と言う泥沼にはまり込んでしまった』というものです。だからトランプ氏がいち早くそれに気づき、「核開発阻止」の戦争目的は達成できたとして、何らかの妥協点をイランとともに見出し、戦争終結を宣言することが望まれます。
このままでは、中露に利益を与えるだけ(注2)で、米国の経済状態も悪化し11月の中間選挙も厳しくなってしまいます。また沖縄の海兵部隊が佐世保の強襲揚陸艦トリポリとともに中東に向かっている現状は、台湾周辺の軍事的なバランスを不安定にしてしまっています。米国はイランを空爆するために大量の爆弾を使用し、またイランのミサイル攻撃に対処するためペトリオット等の対空戦力も在庫がなくなりつつあり、ウクライナ支援にも支障があるほか、中国の台湾侵攻事態に即応不可能になりつつあります。 (注2):米ブルームバーグ通信は24日、ロシアの原油輸出額が過去3週間で1日平均2億7000万ドル(約430億円)となり、1月と比べて2倍に跳ね上がったと報じました。ウクライナ侵略開始直後の2022年3月以来の最高水準だといいます。この利益が北朝鮮の武器・弾薬の購入や兵士の調達等、ウクライナ戦争に使用され、ウクライナ戦争は更に長期化してしまいます。また北鮮は武器等の販売で儲け、兵士及び労働者の派遣で賃金をピンハネし更に儲けています。その儲けが核開発とミサイル開発に使われ、日本の安全を脅かしています。
米国には速やかにイラン戦争から手を引き、疲弊することを回避し、中国が仕掛けるかもしれない台湾侵攻を抑止する態勢をとってもらいたいものです。確かに米国の高度に組織化されたベネズエラへの攻撃やイランへの圧倒的な軍事力による攻撃は習近平の心胆を寒からしめ、台湾侵攻への抑止力になったとも考えられますが、米国が中東の泥沼に足を取られ疲弊した場合には、習近平は「今がチャンス!!」と軍事的冒険に走る可能性があります。


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