令和6年度一般会計予算の特色
3月4日から14日にかけて3月定例会が開催されました。本定例会は、来年度の予算審議がメインで、残る会期(2日間)で一般質問が行われました。予算審議は一般会計と国保・介護保険等の特別会計に区分されます。令和6年度の一般会計は、歳入でいうと、令和5年度に比べて6億円増(4.1%増)の151億円という特色があります。ふるさと納税による増収や新たな市街地形成による税収増を見込んでのことですが、ふるさと納税分として10億5千万円という大きな額を見込み計上しています。(ちなみに、ふるさと納税の税収額の半分は返礼品や委託業者(さとふる等)への委託金で消え、真水として使えるのは残る概ね半分となります。)結果的に、歳入全体に占めるふるさと納税見込額は令和5年度2.8%でしたが、来年度は7%となり、不安定な寄付金頼りの予算編成に危うさを感じさせる状況となっています。
令和6年度予算の目玉事業
幾つかありますが、①中学1、2年生の給食費の無償化、②mobiの実証運行の継続、③防災アプリの導入を紹介します。
①は、令和5年度(今年度)から小学6年生と中学3年生の給食費無償化が始まったばかりですが、それに加え中学1、2年生も無償化するというものです。予算的には約4千万円の増額(1つの学年で約2千万円増)となります。教育費の掛かる子育て世帯への経済的支援として意義のあるものですが、現状では各自治体間の無償化競争になっており、財政的に厳しい自治体が取り残されるという問題点があります。本来、そうした過度な競争を惹起させないために、国が「異次元の少子化対策」の一環として一元的に取り組むべき事業だと考えます。ただ、自治体によっては中学校の給食を実施していないところもあるようで、公平性の観点から国は難しいと考えているのかもしれません(私見)。
②は、現在実施中の実証運行を1年間、同じエリアで継続するもので、予算的には約7千6百万円(うち約半分は国からの補助金を見込む)となります。現状ではしらかし台の住民の利用が多いようですが、定額払いの会員が約60名と伸び悩む一方、ワンタイムや回数券利用が増えているようです。いずれにしても、多数の乗客が見込めないと、採算上、本格運行への道が閉ざされることになりかねません。皆さん、どんどん利用して下さい! mobiの利用方法の周知を更に促進するため、相談コーナーが役場やイオン等で適宜設けられていますので、まずは一度お試し下さい。ちなみに、定額払いを選択すると、当初の1か月間(30日間)は無料となります。
現在、実証運行エリアから外れている葉山団地や梨が丘団地、神谷沢団地、野中、浜田等の方が利便性の高いmobiを利用できるようにするためには、町内全域を対象として本格運行をする必要があり、そのためには来年度の実証運行である程度採算の見通しが立つことが求められます。皆さん、どんどん利用して下さい!
③は、防災無線・スピーカーによる防災情報が、風雨が強かったり、各家で窓や雨戸を閉めていると聞こえないという問題点を改善・補完するため、スマホ保有者にタイムリーに情報を届けるためのアプリの作成・普及を図るものです。先進自治体として多賀城市で既に活用されているとのことです。多賀城市以上に役立つアプリに仕上げてほしいと願っています。
予算審議でのトピックス
町当局が議会に上程した一般会計予算案のうち、①スポーツ振興費の中に計上されていたスポーツ流鏑馬予算400万円を全額認めず半額に修正したこと(減額分は予備費に繰り入れ。一方、ラリー予算は承認)、②文化交流センター運営事業費の中に計上されていた荒川静香さんのモニュメント建設費約475万円を否決しました(当初予算の建設費全額は予備費に繰り入れ)。
過去の利府町議会は大人しかったようで、概ね町当局が上程した議案は大した議論もなく承認ということで、いわば追認機関に成り下がっていたということを先般議員から聞きました。今の利府町議会は町民の声を踏まえ是々非々で議論しているので、今回町当局の予算案を素通りさせず、一部を修正させたことは、手前味噌ですが、私は利府町議会の健全性を表していると思います。
①、②の修正は、スポーツ流鏑馬やラリーを積極的に実施し「新たなスポーツ文化の創造による賑わいの創出」を図ろうとしている町当局にとっては大変ショックだったろうと思います。ただ、私の知り合いの誰もがスポーツ流鏑馬に否定的であることから、多分住民アンケートをとれば、大多数は反対の意思表示をするのではないかと想像します。
①は当初、私を含め議員の過半数が予算を全く認めないという意見でしたが、紆余曲折を経て、減額承認となりました。②は、モニュメントを作る場合、通常は税金でなく、寄付やクラウドファンディングを住民に呼びかけ、気運の醸成を図り、それにより集まった浄財で賄うものであるというのが、議員の大半の意見でした。町長は、河北新報の記者の取材に対し、ふるさと応援寄付金(ふるさと納税)で賄うのだから寄付で建立するものだと説明したようですが、ふるさと納税も他自治体住民の方が納めた住民税(税金)なので、所謂一般的な寄付にはあたらないと考えます。また2006年のトリノオリンピックから20年近く経った今、何故いまさら荒川静香さんなのかという思いもあります。


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