令和6年6月、私は町内会の役員(副会長)として地区総務や班長にお願いし、町内会費とともに緑の募金(いわゆる緑の羽募金)と赤十字の募金(赤十字奉仕団からの「赤十字活動資金募集についてのお願い」)を町内会員の方からお支払い頂きました。募金は町から行政区長(町内会長兼務)を通じ町内会に求められたものです。ちなみに年末が近づくと、今回の募金とは別に赤い羽根、歳末助け合い及び社会福祉協議会費の募金があります。今回は町内会費徴収に合わせて募金を集めたので班長の苦労は許容範囲といえるかもしれませんが、次回は募金のためだけに班長が戸別訪問することになるので、何故町内会の本来の活動ではない募金活動のために班長が頭を下げ苦労しなければならないのかという疑問が生じます。
班長の苦労、手間暇の問題だけではありません。もっと大きな問題があります。これらの募金は、基本的に任意といいながら、集金に当たる班長さんに求められると、ご近所と足並みを揃えなければならない気持ちが働き、実質的には強制のようになっています。特に町内会の組織率が高い地域ほどその傾向が大きくなります。先日、仙台市某区の行政区長(町内会長)さんに、都市部の町内会加入状況について尋ねたところ、加入率は約40%とのことでした。残る60%の住民は町内会費も納めないし、町内会から募金を頼まれることもない。地域コミュニティの重要性を認識し真面目に町内会に加入している会員だけが募金をするという不公平かつ皮肉な状況となっています。(ちなみに私の属しているしらかし台町内会では、会員でない方にも募金を呼びかけ、一部の方からは募金を頂いております。)
町民の生活は、 ①2年半前のロシアによるウクライナ侵攻以降顕著になった物価高騰とそれに見合わぬ賃金の低迷(実質賃金の低下)(年金もマクロスライドにより構造的に物価上昇率に追いつくことができない=実質受給額の低下) ②強まる重税感(平成元年に導入された消費税及び逐次のその税率アップ、東日本大震災を契機に始まり2037年まで続く復興特別所得税、住民税と抱き合わせで徴収されているみやぎ環境税・森林環境税(復興特別税の住民税部分が今年から税目を変えただけ)、明らかな増税なのに増税と称しない令和8年4月から健康保険料と抱き合わせで徴収される予定の子育て支援金。ガソリン代が高騰しているのに一向に撤廃されない暫定税率、酒税やガソリン税にまで消費税が掛かるという一向に解消されない2重課税) ③社会保険料の引上げ(3年連続の国民健康保険料の引上げ、介護保険料全国平均3.5%の引上げ)
により大変厳しいものになっています。特に年金生活者にとっては極めて厳しい状況です。私は班長さんから「町内会費の支払いを年金支給日(6/15)以降にしてほしい」というお宅が多いと聞いたとき涙がでました。また大変心苦しく感じた次第です。他の国だったら暴動に発展しかねない状況です。また蛇足ですが、町内会に入ると、町内会費だけでなく募金も実質的に強制的に徴収されるという認識があり、町内会を退会する理由の1つとなっています。
1970年代のような「一億総中流時代」は過去のもので、現在は多くの住民が物価高・重税・社会保険料の引上げによる3重苦に喘いでいます。にも拘わらず、昔からの慣例で町内会が収納業務を担う、実質的に強制的な募金活動が行われているのです。
何十年も実施されてきた組織的な募金活動であるので、募金活動自体を停止するというような急な改善は困難だろうと思いますが、住民の経済的状況の悪化に配慮し、また募金は基本的に任意という趣旨に則り、利府町として、実質的に強制となっている町内会への募金収納業務の委託を取りやめるべきです。町内会が介在することで実質的な強制募金となっている現状を改めるべきです。
(ちなみに利府町内の一部の町内会では、班長の手間を省くために戸別集金はせず、代わりに町内会費から一括して募金しているところもあるようですが、これは2008年4月に最高裁までいった裁判で違憲とされたものであり、全町内会員の寄付の意思、個々人の希望寄付先及び寄付額について同意を得たものでなければ違憲、また社会福祉法第116条違反(注)となります。)
注:(共同募金の性格)
第百十六条 共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない。
例えこれまで通り町内会で集める場合でも、回覧版等で「募金の概要」と「今年から募金の戸別集金はしません。寄付をされるご意思のある方は何時いつまでに班長宅にご持参下さい」若しくは「寄付をご希望される方は集金に伺いますので、回覧板の名簿に名前をご記入ください」と呼びかけるやり方(任意性を重視した募金集め)をすべきです。或いは、夏祭りなどの町内会のイベントの際に、コンビニ等に置かれているような募金箱を設置して任意で募金をお願いすべきです(この場合、当然に領収書の発行はない)。
募金の中には、既にその社会的役割を終えたと思えるようなものがあります。例えば緑の募金です。昭和25年に戦争で荒廃した国土の緑化推進のために始まった募金であり、平成7年には「緑の募金法」という法的な裏付けも得て、現在に至るまで継続されています。一方、県では緑化推進、地球温暖化対策等のために平成23年からみやぎ環境税を導入しています。また今年からは温室効果ガスの削減、国土の保全、水源の涵養(かんよう)、森林の整備、木材の利用促進などを目的とした国税としての森林環境税が導入されています。(ちなみに宮城環境税、森林環境税ともに住民税に上乗せされるので、納税者にとっては大変分かりにくく、所謂ステルス増税となっています。)緑の募金が、町内会が収納を担うことで実質的な強制募金となっているため、町民にとっては似たような目的のために、1つの実質的強制募金と2つの税金(森林環境税、みやぎ環境税)、合計3つの税金等を徴収されている状況です。
法律の裏付けのある緑の募金を廃止するか否かの検討は国会の作業になります。国会議員はこうした問題には関心を払わないので、おそらく早急には廃止にならないでしょう。県の宮城環境税については、国税の森林環境税の導入に伴い廃止になるかと思いきや、村井知事は「2つの税目は目的が異なる」として廃止論を突っぱねた経緯があります。しかし、一般住民にとってはどう異なるのか甚だ分かりにくい。(村井知事は防大の3期後輩です。後輩ながら大変尊敬しています。しかし、時々???と思うことがあります。)
募金の中にはその使途、配分先に疑問を感じる募金があります。赤い羽根募金です。赤い羽根は社会福祉法に定めた共同募金会にその根拠があり、その目的は社会福祉・地域福祉という崇高なものですが、先の東京都知事選挙に立候補し約10万票を得た「暇空茜(ひまそらあかね)氏」が東京都に対する住民監査請求を通じ明らかにしたように、colabo、Bondプロジェクトといった如何わしい団体や、ピースボートのように政治的に偏向した団体にも配分されています。募金の配分先は、社会福祉法の規定により国や地方自治体が干渉することができないことをいいことに、社会福祉事業を自ら行う者若しくは関係のある団体の者が配分先を決定する立場にあり、意のままに配分先を決定しています。正に我田引水の状態です。
この件は、9月の定例会で町に問い質そうと考えています。
追記:いつも読んで頂きありがとうございます。下段の関連記事もご覧下さい。
追記(令和7年2月13日):本記事を読んで頂きありがとうございます。全国で沢山の方(多くは、問題意識の高い町内会長や町内会役員の方)が読んで下さっているようです。町内会の募金集めの改善にお役に立てば幸いです。ありがとうございます。
追記(令和7年3月11日):募金集めは問題だ!という本記事を読んだ方から、浅川さんは共産党系ですか?と聞かれました。共産党系の方は、一般的に、「弱者の味方」というイメージがあるので、そう思ったようです。私は政治的には、日本の歴史と伝統を重んじ皇室尊崇の気持ちの強い保守主義者で、祝日には必ず国旗を玄関に掲げますし、共産党系の方とは多分正反対の立場にあります。ただ社労士資格を有していることから、高い社会保険料や税金、国民負担率の上昇等について問題意識を持っております。ちなみに、利府町の共産党議員の方は、議会の一般質問でも社会的弱者に寄り添った大変良い質問をしています。
追記(令和7年6月10日):今日は大変嬉しいことがありました。私のHPを見て下さった札幌の方からメールを頂いたことです。その方はこの春まで町内会長をお務めになり、町内会の募金問題に取り組まれてきた方です。本来、「個人の意思に基づく募金」の問題に町内会が関わること、それは町内会費からの一括募金であろうと、戸別集金による募金であろうと、それぞれ法的な問題があることから、町内会は一切関わらないということを民主的な手続き(町内会の総会での議決)を経て解決された方です。その方の属する町内会のホームページを見て私は感動しました。是非その方の取組を、町内会の募金の問題に悩む全国の多くの方と共有したく、その方のご了解を得て、リンクを貼らせて頂きます。どうぞ訪問して下さい。https://sites.google.com/view/yamanote29/top/qanda/donation/






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