イラン戦争停戦合意ー看過できない北朝鮮との連携

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 米国・イスラエルとイランの戦争が、パキスタンの仲介でひとまず停戦が合意され世界中がほっとしています。これまで双方が示していた停戦条件は、双方とも要求レベルが非常に高く、お互いに受け入れられないものでしたので、停戦合意は双方が歩み寄らざるを得ない事情、例えば軍事費の増大、戦力(特に対空火器、ミサイル)の枯渇等の事情があったため、かろうじて成立したと見るべきでしょう。そう考えると、このままお互いにメンツを保ちつつ停戦のような終結のような曖昧な形で収束していくようにも思われます。楽観的すぎるでしょうか?

 仮に戦争終結となったとしても、元の安全かつ平穏な中東情勢には戻らないでしょう。イランは隠密裏に核開発、その運搬手段としてのミサイル開発を継続するでしょうし、イスラエルはそれを死活的な脅威と捉え、あらゆる手段を講じて阻止に動くでしょう。不安定な状態は継続し、原油は高値維持となり、世界経済に悪影響を及ぼし続けるでしょう。ましてやイランは、「ホルムズ海峡の封鎖」という大きな武器を現実に手にしたので、随時再封鎖をちらつかせ今後の交渉カードとして活用するでしょう。

 今回のイラン戦争で、私は3つの教訓を得ました。

 1つは、海峡の価値。中共海軍の太平洋進出を阻止するために、ホルムズ海峡ほど狭隘ではありませんが、日本と台湾との海峡、日本列島が構成する数個の海峡が軍事的に価値あるものとなることが再認識できました。ロシア海軍に対しても概ね同様です。夏季であれば、ウラジオストックからオホーツク海、そして太平洋に進出することは可能ですが、冬季は宗谷海峡も氷で埋まり津軽海峡を通過せざるを得ません。海峡を封鎖する能力、そして海峡を構成する沿岸地域を防御する能力を保有することは戦略的に極めて重要であると考えます。

 2つ目は、日本は北朝鮮の脅威に真剣に対応しなければならないということ。イランにミサイル技術、ミサイル本体、特に短距離・中距離ミサイルを供与していたのはロシアや中国だけでなく、北朝鮮であると欧米の研究機関で分析されています。北朝鮮は今回のイラン戦争で自分たちが供与したミサイルがそのような戦果を挙げたのか、敵であるイスラエルや米国の対空防御網をどのように突破できたのか、じっかりと教訓を学んでいるでしょう。

 北鮮は、既にウクライナ戦争において、ロシアに兵力・弾薬・ミサイル等を供与して、その見返りにミサイル技術や外貨を得ていますので、更にミサイル技術は発展し続けます。昨日も北鮮南西部の元山付近から飛行距離700km(高度60km)と推定される短距離ミサイルを発射しました。こうした発射実験を繰り返し技術の向上を図っています。

1994年に米国のクリントン大統領の時代に、米国は北鮮の核・ミサイル開発を阻止するため攻撃しようとしましたが、カーター元大統領等の穏健派の反対に遭い、そのチャンスを逃してしまいました。いまや取り返しのつかない状態になってしまっています。日本は、中共やロシアの核恫喝だけでなく、北鮮の恫喝にも怯えなければなってしまいました。

既に2発の核攻撃を日本は受けていますが、絶対に3発目を受けないためには、米国の核の抑止力を確実に機能させるための核共有や自前での核開発が必要となってきています。非核3原則などという一人よがりのお花畑の幻想的な抑止力に頼っていられる状況ではありません。

 3つ目はドローンの活用、ミサイルとの連携運用です。ウクライナ戦争でもドローンを運用した戦い方が一般的になってきていますが、イラン戦争でも、高価なミサイルの代わりにドローンを多用し、米国やイスラエルの対空防御組織を攪乱し射耗させた後にミサイルを撃ち込むという戦法が使われています。この点は、中国・ロシア・イラン・北鮮(CRINK諸国)といった反米諸国が共通に学んでいることです。

 最後に、米国の北鮮問題研究グループ「38ノース」が、北鮮がイラン戦争から得た成果を「8つの教訓」として整理しています。ここで詳細を書くと記事が長文になりますので、後日紹介します。

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