この質疑は、先の「審議会等の公開」に関連した質疑以上に痛快でした。それは、町当局の現在の対応は憲法違反だ!と指摘したからです。この記事では、町内会募金関連の質疑応答について詳述します。読者の皆さんにも大変興味深い内容だと思います。
はじめにー質問の前提
令和6年9月定例会で町内会における募金の問題について質問しました。それは、赤い羽根等の各種募金は、基本的に任意といいながら、集金に当たる班長に求められると、ご近所と足並みを揃えなければならないという心理的圧迫が働き、実質的には強制のようになっているという問題認識があったからです。また状況認識として、町民の生活は、①物価高騰とそれに見合わぬ賃金・年金受給額の低迷、②重税、③社会保険料の引上げにより大変厳しいものになっており、特に年金生活者にとっては極めて厳しい状況であるという認識もありました。
そこで、「町内会が介在する組織的な募金活動を見直す時期にあると考えるが、その第1歩として、各行政区(町内会)でどのような要領(戸別集金、町内会費上乗せ等)で募金が行われているか、その実情把握をしてはどうか?」と質問した次第です。
それに対し町長答弁は「集金の方法については各行政区の裁量に委ねられており、行政区長会議において意見交換会などの機会を捉えて情報共有等を図って頂くことが有効」とのことでした。
質問&答弁
Q1:行政区長会での情報共有の機会はもたれたのか。
A1:行政区長会で募金要領について情報共有した。
Q2:情報共有の機会を通じ、当局は各行政区(町内会)ごとの募金要領を把握したと思うが、どのような状況か。
A2:26の行政区(町内会)のうち、戸別集金が6、町内会費に上乗せ一括集金が20であった。
Q3:戸別集金による募金を集めをしている町内会が6、町内会費上乗せで集めている町内会が20とのことであるが、町内会費上乗せ要領は2008年4月に最高裁までいった裁判で違憲(注1)とされている。また社会福祉法第116条違反(注2)でもある。これを当局は承知しているか。
A3:承知している。→(私:唖然)
(注1):最高裁(大阪高裁判決文)で確定した「滋賀県甲賀市希望ヶ丘自治会事件」 赤い羽根共同募金などを自治会費に上乗せして強制的に一括徴収するとした自治会総会決議は、思想信条の自由を 侵害し、公序良俗に反し無効であるとされた裁判事例(自治会が負けた裁判)。 大津地裁⇒大阪高裁⇒最高裁と進み、平成 20(2008)年 4 月3日に大阪高裁判決文の 内容で確定。あらためて全町内会員の寄付の意思、個々人の希望寄付先及び寄付額について同意を得たものでなければ違憲とされた。
(注2):社会福祉法第116条(共同募金の性格):共同募金は、寄附者の自発的な協力を基礎とするものでなければならない。
Q4:町内会費上乗せ一括集金による募金が違憲であることを承知し、また一部の町内会で現実にそのような違憲状態がなされていることを承知しながら、当局は「募金要領は各行政区の裁量」として放置するのか?その場合、町当局が違憲活動に加担していることにもなる。関係するの行政区長(町内会長)に最高裁判決の内容等、情報提供して是正を求めるべきではないか?
A4:町内会は任意団体であるので統制・指導は難しい。
→私は、この答弁は現に違憲状態であるという問題認識が低いことの表れと考え、任意団体への指導が難しいとの理由で違憲状態を放置する訳にもいかないので、工夫して是正を求めるべきと指摘しました。ましてや、基本的に町内会長は行政区長(看做し公務員)でもあるので、町内会長への指導でなく、行政区長への指導とすれば問題はないはずです。
Q5:町内会費上乗せ一括集金をしている町内会は、推測であるが、以前は戸別集金で募金集めをしていたところ、集金にあたる班長等の負担が大きいことから一括集金要領に移行したところも多いと推測する。仮に一括集金から戸別集金に戻った場合、当初の班長等の集金負担の問題が再燃することが予想される。戸別集金の問題は、任意と言いながら断りにくい状況で集金することで実質的に強制的になっているという問題のほか、集金にあたる班長等の負担が大きいという問題がある。
1つの先進事例を紹介したい。福岡県うきは市である。うきは市ではそうした募金に関わる問題を真剣に捉え、とりあえず緑の募金についてのみ町内会への集金委託をやめ、役場窓口で募金を受け付けるようにした。
町内会介在の募金集めは、従来から全国的に問題とされてきたものであり、時代の変化を考え、そろそろそのあり方、要領を見直す時期にあると考えるが当局の見解は?
A5:各町内会と情報共有する。
まとめ
町内会の実質的に強制的な募金集めは、全国的に問題となっていることです。赤い羽根共同募金会や赤十字等それぞれの募金主体のHPにはクレジットカード払い等を含めた多様な募金要領が示されているので、昔からの町内会の組織力に依存した募金要領でなくとも、募金集めは十分に可能と考えます。役場の窓口に募金箱を置けば済む話です。
私の今回で2回にわたる「町内会の募金要領」の一般質問を契機として、募金に町内会が介在すること、また町が町内会に協力依頼することが廃止され、不条理な募金集めが是正されることを心から願っています。




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