中国軍機 レーダー照射事件(12/6)の概要
沖縄本島南方の宮古海峡を抜けた空母「遼寧」を中心とする中国艦隊は12月6日午後、針路を北転させ、沖縄本島と沖大東島間に広がる海域で艦載機J-15の発着艦を開始しました。そこは日本の防空識別圏(ADIZ)の内側であり、直ちに航空自衛隊のF-15戦闘機が自衛隊法第84条(対領空侵犯措置)に基づきスクランブル発進しました。これまで中国の空母艦載機の発着艦訓練では何度も繰り返されてきたことですが、今回は訓練場所が日本の領土、領空に接近している状況でした。
また今回、中国のJ-15戦闘機は、約80キロも離れた空域で警戒監視する空自機に対し、2度にわたってレーダーを照射し、2回目は18時37分から約30分間も断続的に照射を繰り返しました。自衛隊機は即座に空自・那覇基地と連絡を取り、照射された際に発する警報音を録音するとともに、パイロットの前方画面に映るJ-15からの照射情報を録画するなど証拠を保全し、同基地に帰投しました。
小泉防衛相は12月7日、午前2時過ぎという異例の緊急記者会見を、語気を強めて締めくくりました。「極めて遺憾であり、中国には強く抗議し、再発防止を厳重に申し入れた」――。
自衛隊法 第84条第1項(領空侵犯に対する措置)
中国軍機が航空自衛隊機にレーダー照射した事件には、いろいろと考えさせられます。基本的に中国は日本の法制度を熟知していることから、「日本は手出ししない!」と分かっており、舐め切っていることが背景にあります。
自衛隊法第84条第1項は、対領空侵犯措置として次のように規定しています。
「防衛大臣は、外国の航空機が国際法規又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)その他の法令の規定に違反してわが国の領域の上空に侵入したときは、自衛隊の部隊に対し、これを着陸させ、又はわが国の領域の上空から退去させるため必要な措置を講じさせることができる。」
具体的には威嚇射撃や進路妨害、最終的には撃墜ということになりますが、国際標準だとこうした対領空侵犯措置の発動条件は、「侵入した事実」なのですが、日本の場合は、「正当防衛が成り立つ場合」ということになっています。したがって「殺されそうになるか、或いは実際に一人以上の自衛官が殺された場合」でないと、警告のための威嚇射撃すらできないことになっています。
だから中国は日本を舐め切って、堂々と領空侵犯をしようとするし、火器管制レーダー照射でロックオン紛いのことを平気でやるのです。
パイロットである自衛官の命を守りつつ、任務を確実に遂行させるためには、この対領空侵犯措置を国際標準に改正することが必要です。


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