高市首相の台湾有事の際の発言をめぐり、中国大阪総領事の「その汚い首を叩き切ってやる!」という外交上極めて無礼な発言がありましたが、なんと今度は在日中国大使館が公式に「国連憲章の旧敵国条項に基づき、安保理決議を必要とせず、中国は何時でも日本を攻撃する権利を有する」といった趣旨の、これまた極めて不適切な、宣戦布告とも言える投稿をして物議を醸しています。
私は、この「旧敵国条項」がある国連など信用成らない、こんな国際機構に高額な拠出金を拠出するのは不適切だ!とかねてから考えていたのですが、X(ツイッター)で私がフォローしている山尾志桜里氏(*)の投稿により、この条項は何年も前に国連決議により死文化していたことを知りました。改めて己の不明を恥じるとともに、山尾氏は素晴らしい政治家だと見直しました。山尾氏の投稿を2つ紹介します。 *:元立憲の衆議院議員。この夏の参院選挙で国民民主党の玉木氏から出馬を要請されたところ、過去の不倫問題が再燃し、多くの国民から反対意見が出され出馬を断念した経緯あり。また山尾氏は「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC):日米欧など43カ国、約300人の国会議員が超党派で構成」の創設メンバーの1人で、現在は日本の事務局長でもあります。
中国が仕掛けている法律戦への対応(投稿①)
旧敵国条項を持ち出して、中国から歪んだ法律戦が仕掛けられています。 法律の世界においては「沈黙は金」ならず。 「無理が通れば道理が引っ込む」リスクを常に警戒し、相手が「無理」で勝負してきたら、倍の熱量で「道理」を主張する必要があります。
たとえば、今回の中国による日本への軍事恫喝については、国連における以下の3点が重要です。
①1994年、国連総会決議49/58は、旧敵国条項を時代遅れで不適切と宣言し、中国も賛成。
②1995年、国連総会決議50/52は、旧敵国条項を時代遅れで削除手続きの対象とすべきと宣言し、中国も賛成。
③2005年、国連首脳会合成果文書は、旧敵国条項における敵国との言及を削除することを決意すると宣言し、中国も賛成。
ここから少なくとも以下の3点が導かれます。 旧敵国条項をつかった中国の恫喝は、
①敵国条項削除を決意済みの国連合意違反であり
②武力による威嚇を禁じた国連憲章2条4項違反であり
③これらの合意形成に継続的に関与し賛成してきた中国自らの長年の投票行動と大いに矛盾。
法的にも政治的にも無理筋恫喝としか言いようがありません。 日本の側から、政官学あらゆるチャンネルで、積極的・戦略的・説得的な法律戦の展開が必要な場面です。
*このポストに対し、私は「山尾さん、是非外務省にこの見解を伝えて反論を促して下さい」と返信しました。そうしたら、外務省も間髪入れず、上記の理屈で公式に反論しました。
国会での岡田克也氏の質問と高市首相の答弁(投稿②)
何度も議事録読みました。岡田議員自ら台湾有事を持ち出し、自らバシー海峡封鎖と場面を限定して更問いし、繰り返し存立危機事態になる場面を述べよと迫っています。
明白になったのは、「曖昧にするな」という質問をしておいて「曖昧にせずけしからん」という立憲民主党の矛盾体質でした。
しかし質問後の世論調査をみれば、「けしからん」とは思わない国民が軒並み半数を超えています。
台湾有事の際、安保法制と日米同盟を前提に、日本はどんな決断を迫られるのか。 国民にはそれを知る権利があるし、知った上で判断したいと考える賢明さがある証拠だと思います。
そもそも・・・
①中国側から台湾への武力統一が始まり、
②米軍が来援して米国に対する武力攻撃が発生した際に、
③個別具体総合的にみてそれが日本の存立危機事態にあたり、
④他に手立てがない場合に限っては、
⑤日本の自衛隊は必要最小限の武力を用いる可能性がありうる。
こういう冷静なロジックが政府から国内外に提示されることが、本当に「勇み足」なんでしょうか。私はそう思いません。 むしろ、この程度のことは、日本国民として総理から提供されるべき最低限の国防知識だと考えます。 なので、私が今回の高市答弁について瑕疵がないと言い続けているのは、単なる対中外交戦略ではなく、本当にそう評価しているからです。
あえていえば、総理からの「反省」の弁はなくてもよかったと思っている位です(それとは別に、官房長官などが緊張緩和に向けたコメントをすることの必要性は十分理解)。 今回のことが、安全保障をめぐる総理と国民の真摯な対話の足枷とならないよう、臆することなく知恵を絞ってほしい。
そして野党にはできれば「外には喧嘩を持ち出さない」知恵を持ってほしい一国民です。



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